将棋の高校生棋士、藤井聡太(そうた)七段(16)が14日、大阪市福島区の関西将棋会館で行われた第60期王位戦(新聞三社連合主催)の予選(トーナメント)の初戦で、山崎(やまさき)隆之八段(37)に138手で敗れた。藤井七段が来夏に予定される第60期王位戦七番勝負に登場する可能性は無くなった。藤井七段は3日の第44期棋王戦挑戦者決定トーナメントの初戦で菅井竜也(すがいたつや)王位(26)に敗れており、公式戦で連敗したのはデビュー以来2回目。
対局は午前10時に始まり、午後7時51分に終局した。終局後、山崎八段は「ちょっとでも弱気になると、踏み込まれて負ける気がした。終盤で攻め合いを意識したのが結果的に幸いした」「(指し手を)読む量では厳しいので、経験で勝負するしかないと思っていた」などと語った。
藤井七段は、2回目の連敗について「自分の実力によるもの。もっと力をつけることで乗り越えていけたらと思います」と述べた。「タイトル戦の予選の初戦で敗れたのは初めて」と指摘されると、「自分の実力的にも仕方無い。また来期、もっと力をつけて頑張りたいと思います」と応じた。
山崎八段は2017年度に「NHK杯将棋トーナメント」と「将棋日本シリーズ JTプロ公式戦」の2棋戦で優勝した関西の強豪で、森信雄七段(66)門下。森七段門下の棋士は藤井七段に11連敗していた(竹内雄悟五段(30)=4敗、澤田真吾六段(26)=3敗、大石直嗣七段(28)=2敗、千田翔太六段(24)=1敗、糸谷哲郎八段(29)=1敗)。山崎八段は勝って、藤井七段の対森信雄七段一門の連勝記録を11で止めた。山崎八段は「1勝を返せて良かった」と笑顔で話した。
藤井七段の今年度の成績は23対局、18勝5敗となった。
王位戦は、将棋界に八つあるタイトル戦の一つで、全棋士と女流棋士2人が参加。予選をトーナメントで行い、勝ち上がった棋士とシード棋士4人が紅白2ブロックに分かれてリーグ戦を行う。紅白の優勝者で挑戦者決定戦を行う。王位と挑戦者は例年7月から9月にかけて七番勝負を行う。(佐藤圭司)