29日に行われた第12回朝日杯将棋オープン戦(朝日新聞社主催)のプロアマ一斉対局で、船橋市の将棋講師、知花賢(ちばなけん)さん(31)が、プロ棋士の大橋貴洸(たかひろ)四段(25)に勝った。大橋四段は、プロ公式戦で通算7割以上の勝率を挙げている関西の新鋭棋士。知花さんは「勝ち目は薄いと思って臨んだが、全体にうまく指せました」と話した。
対局は大阪市の関西将棋会館であった。知花さんは「序盤は苦しかった」と振り返った。だが、中盤に入ると、知花さんが「勝負手気味に放った」という指し手に大橋四段が苦慮。接戦に持ち込み、最後は大橋四段の攻めに冷静に対処してきわどく勝ち切った。
知花さんは、プロ棋士養成機関「奨励会」に在籍し、最終関門の三段リーグも経験した実力の持ち主。大橋四段とは師匠が同じ同門の間柄で、「大橋さんの強さはよく分かっていました」。知花さんによると、奨励会時代の対戦成績は3勝3敗だったという。
知花さんは、3月の朝日アマチュア将棋名人戦(朝日新聞社主催)でベスト4になり、プロと対戦する権利を得た。次の2回戦では西川慶二・八段(56)と対戦する。(佐藤圭司)