佐藤天彦名人への挑戦権を争う第77期将棋名人戦・A級順位戦(朝日新聞社、毎日新聞社主催)の最終9回戦全5局が1日午前9時から、静岡市葵区の料亭「浮月楼(ふげつろう)」で一斉に始まった。多くのファンが勝負の行方を深夜まで見守ることから「将棋界の一番長い日」とも言われる将棋界の一大イベントだ。
将棋界の一番長い日、熱戦を動く将棋盤で
これまで7勝1敗の豊島将之二冠は久保利明九段に勝てば初の挑戦権を得る。ともに6勝2敗の羽生善治九段と広瀬章人竜王は直接対戦し、豊島二冠が2敗目を喫した場合のみ勝者がプレーオフに進出する。
2勝6敗の深浦康市九段は糸谷哲郎八段に負ければB級1組への降級が決まり、勝てば3勝5敗の三浦弘行九段が稲葉陽(あきら)八段に敗れた場合のみ残留できる。三浦九段は勝てば残留が決まる。0勝8敗ですでに降級が決まっている阿久津主税(ちから)八段は佐藤康光九段と初白星をかけて対戦する。
持ち時間は各6時間で、昼食休憩、夕食休憩をはさんで深夜に決着する見込みだ。(村上耕司)