将棋の高校生棋士、藤井聡太(そうた)七段(16)が17日、大阪市福島区の関西将棋会館で、第49期新人王戦(しんぶん赤旗主催)の決勝三番勝負第2局に臨んでいる。10日にあった第1局で先勝した藤井七段が制すれば、優勝が決まる。一方、対戦相手の出口若武(わかむ)三段(23)が勝てば両者1勝1敗となり、29日の第3局にもつれ込む。
両者とも公式戦での「番勝負」は初めて。新人王戦は羽生(はぶ)善治(よしはる)竜王(48)や佐藤天彦(あまひこ)名人(30)らが優勝した一流棋士への登竜門。「26歳以下」かつ「六段以下」などの参加条件があるため、今年に入ってスピード昇段した藤井七段にとって、今期が新人王になるラストチャンスだ。
注目の一局とあって、対局開始時には25社53人の報道陣が詰めかけた。この日の対局の立会人は糸谷(いとだに)哲郎八段(30)。午前10時、糸谷八段が対局開始を告げ、先手番の藤井七段が初手を指した。持ち時間は各3時間。正午から40分間の昼食休憩があり、夕方ごろ終局する見通し。
藤井七段が優勝すれば、2月に優勝を決めた第11回朝日杯将棋オープン戦(朝日新聞社主催)に続き、2回目の棋戦優勝となる。
藤井七段が勝てば、16歳2カ月での新人王戦優勝となり、最年少記録。第18期(1987年)で森内俊之九段(48)=当時四段=が17歳0カ月で優勝した時の新人王戦優勝最年少記録を31年ぶりに塗り替えることになる。(佐藤圭司)