佐藤天彦(あまひこ)名人(31)への挑戦権をトップ棋士10人が総当たりのリーグ戦で争う「第77期将棋名人戦・A級順位戦」(朝日新聞社、毎日新聞社主催)の8回戦のうち、羽生善治(はぶよしはる)九段(48)と豊島(とよしま)将之二冠(28)=王位、棋聖=の対局が1月31日、大阪市福島区の関西将棋会館で指され、後手番の豊島二冠が88手で勝ち、リーグ成績を7勝1敗とした。敗れた羽生九段は6勝2敗となった。終局は31日午後9時35分だった。
感想戦の終了後、主催紙のミニ・インタビューに両対局者が応じてくれた。
本局を振り返って、勝った豊島二冠は「やってみたい形にはなったんですが、その後、終盤では、きわどい感じでした。ただ、駒の配置が(自分にとって都合が)良さそうなところにいっていたので、なんとか、いけるのではないかな、という感じで指していました。(同時に)分からないとも(思っていました)」、敗れた羽生九段は「途中までは前例があった形だったんですけど、(豊島二冠の64手目)△7一香から、7筋の反撃が結構、厳しい感じになってしまったんで……。後は、なんか、ちょっと自信が無い将棋になってしまったですねえ」と述べた。
また、この時点では東京での広瀬竜王の対局結果は分かっていなかったが、そのことを伝えたうえで、A級順位戦の最終9回戦に向けて、ひとこと、お願いした。豊島二冠は「次も集中して頑張りたいと思います」、羽生九段は「次も、また準備して臨みたいと思います」と答えた。(佐藤圭司)