世界一を取り戻す準備が本格的に始まった。今夏のサッカーワールドカップ(W杯)フランス大会で、2大会ぶりの優勝を目指す日本女子代表(なでしこジャパン)=世界ランキング8位=の候補合宿が1月31日、静岡県内でスタート。高倉麻子監督は「期待はしているが、どの選手が先発の11人になるかわからない」と明言。先発を含め、W杯メンバー23人をめぐる争いは激しくなりそうだ。
31日の練習は強い雨が芝生に降りつけたが、選手からは笑顔も見え、明るい雰囲気で行われた。今回は体調不良で辞退したDF鮫島彩(神戸)をのぞく27人が参加し、5人の10代が名を連ね、平均年齢は約23・2歳。準優勝の4年前のW杯カナダ大会のメンバーはMF阪口夢穂(みずほ)や(日テレ)やMF宇津木瑠美(シアトル)ら4人で、5人が初招集だ。
17歳以下(U17)やU20で年代別代表を指揮し、3年前に就任した高倉監督。これまで積極的に若手を呼び、昨夏のアジア大会では2大会ぶりに優勝するなどチーム力を高めてきた。ただ、底上げに余念がない。
1月28日からは4日間にわたって、代表候補合宿とは違う顔ぶれの23選手を集め、「なでしこチャレンジトレーニングキャンプ」を今回の代表候補合宿地と同じ場所で実施。今後代表入りが期待できる選手がいないか、新たな力の発掘に力を注いだ。
こうした狙いを、高倉監督は「W杯への秘密兵器じゃないですけど、そういった選手がでてくるといい」と語る。そして、W杯に向け、「日本は(試合に)どの選手が出てくるかわからないと思われるような2チーム分の力があるようにできたら」と明かす。
今回は4日まで合宿を行い、20日からは福島で合宿。27日からは米国で開催される、W杯カナダ大会優勝の米国(世界ランキング1位)、イングランド(同4位)、ブラジル(同10位)が参加する大会に出場する。高倉監督は「新しい戦力をどれくらい組み込んでいけるかトライする」。
W杯フランス大会は6月7日に開幕、決勝は7月7日にある。(堤之剛)