あおり運転とみられるトラブル後、注意しようとした男性がしがみついている状態で大型トラックを約6キロ走行し男性を振り落としたとして、宮城県警は18日、埼玉県上尾市の運転手伊藤照晃容疑者(46)を殺人未遂容疑で逮捕し、発表した。男は「振り落としたことは間違いないが、殺す気はなかった」と否認しているという。
大河原署によると、伊藤容疑者は2018年6月26日午前0時20分ごろ、宮城県大河原町内で、栃木県那須烏山市の会社員の男性(51)が大型トラックの運転席付近にしがみついている状態で、国道4号や県道で蛇行させるなどして、約10分後に約6キロほど先の宮城県柴田町内で振り落とし、殺害しようとした疑いがある。男性は左足や胸に3週間のけがを負った。
けがをした男性は「事件前にあおられた」と話しているという。男性の供述によると、男性も大型トラックを運転していて、伊藤容疑者が後方から車間距離を詰めたり、追い抜いてから急に前方に割り込んだりしたという。男性は赤信号で停止した際に注意に向かい、伊藤容疑者のトラックの運転席のステップに足をかけ、左手でドアノブを握ったところ、そのまま急発進したという。
署が沿道にある複数の防犯カメラの映像を解析したところ、トラックは平均で時速60キロ近いスピードが出ていたという。(山田雄介)