北九州市小倉北区にある指定暴力団工藤会の本部事務所に18日、市職員や不動産鑑定士らが調査に入った。市によると、工藤会側は市に売却の意向を示している。市は調査結果を踏まえ、売買交渉に向けて必要な土地の評価額や建物の解体費用を算定する。
午前10時、市職員と市側の不動産鑑定士、福岡県警と工藤会の関係者ら10人ほどが、本部事務所の門を開け、敷地内に入った。市によると、評価額や解体費用の概算の算出には1カ月ほどかかるという。
事務所は工藤会トップの野村悟被告(72)=殺人罪などで起訴=が代表取締役を務める会社の所有。2014年から暴力団対策法に基づき使用が制限されている。工藤会は固定資産税を滞納しており、市は昨年12月に土地と建物を差し押さえた。市はその後、買い取りに向けて工藤会側と協議を始め、工藤会側から売却の意向が示されたという。
ただ、金額面で工藤会側と折り合えるかは今後の交渉次第。市側は期限を切らずに交渉を続けていくとしている。(井石栄司)