金融庁は大手銀行に対し、低格付け企業への融資を証券化したローン担保証券(CLO)の保有状況の調査を始めた。米国でCLOの価格低下リスクが高まっており、邦銀の運用状況を早急に把握する必要があると判断した。CLOは比較的高利回りのため、金融緩和で超低金利が続く中で人気が出ている。
金融庁は今年の定例の検査で、三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)、三井住友FG、みずほFGの3メガバンクや、三井住友トラスト・ホールディングス(HD)、りそなHD、ゆうちょ銀行、農林中金のCLO投資の実態を調べる。
特に、三菱UFJFG、ゆうちょ銀、農林中金はCLO投資の比率が高いとして重点的に調べる方針。
金融庁は「リスク性があり投資が膨らんでいるのは事実だが、現段階ではデフォルト(債務不履行)の懸念があるとは考えていない」(幹部)とみている。ただ今後の世界的な景気減速でのリスクが懸念されている。(山口博敬)