第77期将棋名人戦・C級1組順位戦(朝日新聞社、毎日新聞社主催)の最終11回戦が5日、東京と大阪の将棋会館で一斉に指されている。昇級の可能性がある5人のうち、高校生棋士の藤井聡太(そうた)七段(16)は大阪市福島区の関西将棋会館で都成竜馬(となり・りゅうま)五段(29)と、師匠の杉本昌隆八段(50)は東京都渋谷区の将棋会館で千葉幸生(さきお)七段(40)と対局中だが、午後6時ごろまでの注目の師弟の形勢をお伝えする。
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藤井聡太 名人への道
5日午後6時、関西将棋会館では、昇級を争う棋士の対局を速報・解説する「大盤解説会」が始まった。
整理券は午前10時から配布されたが、早い人は午前8時ごろから列を作っていた。関心の高さが、うかがえた。
解説は、北浜健介八段と室田伊緒女流二段。室田女流二段は、杉本八段門下で、藤井七段の姉弟子にあたる。夕食休憩の場面までが、次々に調べられていく。
最初は、藤井七段の将棋。先手番の都成五段が「中飛車」戦法を採用。後手番の藤井七段は得意の居飛車で迎え撃つ。「藤井さんの駒運びは自然」と北浜八段が言えば、室田女流二段も「きれい」と感嘆した。「まだまだ、これからの将棋」としながらも、「振り飛車が、玉側の端歩を突き越されているのが気になります(=マイナスに思います)」と北浜八段。2人の解説者は、微差かもしれないが藤井七段が優勢、と判定した。
続いて、杉本八段の将棋。先手の杉本八段は、得意の「中飛車」戦法。後手番の千葉七段は、得意の居飛車で対応した。北浜八段が「『私は私、あなたはあなた』という感じで、お互いに、かなり強情な指し手に見えます」と評したように、動きがある展開に。千葉七段が自陣付近に打った角を、杉本八段がいじめに行き、杉本八段が角銀交換の駒得を果たす展開。2人の判定は「振り飛車(の杉本八段)が優勢と思います」。
あくまで、午後6時台の戦況で…