(沖縄・琉球GC 6514ヤード=パー72)
国内女子ゴルフツアーの今季開幕戦、ダイキンオーキッドレディスは10日、最終ラウンドがあり、単独首位で出た比嘉真美子が3バーディー、3ボギー、2ダブルボギーの76で回り、通算5アンダーで初優勝した。今大会での地元、沖縄勢の優勝は2004年の宮里藍以来2人目。また、日本選手の開幕戦優勝は森田理香子以来6年ぶり。3打差の2位に同じ沖縄出身の新垣比菜、米ハワイ出身のエイミー・コガら3人、4打差の5位に松田鈴英(れい)、申ジエ(韓)ら3人。畑岡奈紗は4オーバーで17位、昨季賞金女王のアン・ソンジュ(韓)は5オーバーで24位。
小学生でボランティア 宮里藍以来の地元V
18番のウィニングパットを決めた直後、比嘉真美子の瞳が潤んだ。「これが現実だったらいいなと思いながら、最後のパットを沈めることができた」。
2位と7打差の首位で出た最終日は苦しんだ。7番で突然崩れてボギー。その後は球を木に当てたり、バンカーに入れたりと、二つのダブルボギーをたたくなどスコアを落とし、「本当にしんどかった」。
しかし17番で立ち直った。残り98ヤードの第2打は右からの風を読み切り、ピンそば2メートルに寄せた。「完璧なショット」。バーディーパットを沈め、逃げ切った。
思い出深い大会だ。小学5、6年の2年間、ボランティアとして参加。練習場で不動裕理らに球を渡した。「いつかこういう格好いいプロゴルファーになりたいと思っていた。この大会の優勝が夢の一つだった」。1打差で予選落ちした昨年から一転、2004年の宮里藍以来となる沖縄出身選手の優勝となり「地元の大会は私が引っ張っていきたいと思っていた。とにかくとにかく勝ちたかった」と喜んだ。
昨季の賞金ランク4位で、昨年8月に全英リコー女子オープンでは4位。コース外では大相撲の幕内力士、勢と婚約。公私ともに充実する中での優勝だ。今季は東京五輪強化指定選手としても臨む。「チャンスがあるのならば全力でつかみにいく」(松田光)
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〈大相撲幕内力士の勢〉 婚約中の比嘉の優勝を祝福し、「彼女がどん底を味わっている時に出会って、見てきている。お互いにいい刺激。僕ももっと頑張らないといけない」。自身もこの日、地元大阪の春場所で白星。