6月に大阪で開かれる主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)に関連したビジネス会合「B20東京サミット」が東京都内であった。各国の経済団体や大企業の幹部らが一堂に会して産業政策を論じるなか、協同組合が代表団に加わる国もあった。
B20の会合はG20前に催すことが慣例となっている。東京サミットは経団連が主催し、15日に中西宏明会長がG20に向けた提言を安倍晋三首相に手渡して閉幕した。
仏代表団の一員には、欧州協同組合連合会長のジャン・ルイ・バンセルさん(64)の姿もあった。金融の協同組合を運営しており、預金者が自分の預金の融資先を選べる仕組みをつくり、再生可能エネルギーなど環境事業への融資を活発に行っている。口座数は1780で融資総額は22億円にのぼるという。
東京サミットの主なテーマは、国連が提唱するSDGs(持続可能な開発目標)の達成。バンセルさんは「大企業だけで社会問題は解決できない。社会的なイノベーション(革新)が必要で、ダイバーシティー(多様性)の観点からも協同組合もB20に入るべきだ」と話した。バンセルさんらの事業は経団連がまとめたSDGs達成に向けた事例集に盛り込まれた。
フランスは協同組合の活動が盛んだ。日本でも農業、生活などの分野で協同組合が組織されているが、B20への参加はなかった。バンセルさんは「日本では経済界と協同組合とでは違うものと見ているようだ。フランスでは互いに尊重し合っている」と日本の協同組合にも参加を呼びかけた。
日本協同組合連携機構によると、2014年からオーストラリアなど複数国で協同組合の参加実績があるという。(加藤裕則)