「まだまだ勝手に関西遺産」
手早くできて、ソースやマヨネーズをたっぷりぬる関西定番の、あの料理。発祥の姿をたどっていくと、日本人がロシアで見た料理がきっかけだったようです。
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食卓を囲んでいたある夜、とん平焼きが粉もんかどうかで、妻と議論になった。「豚肉をたまごで焼くから、粉もんとはちゃうやろ」と妻。たしかに、居酒屋では小麦粉の生地がないことが多いかも。
日本コナモン協会長の熊谷真菜さん(57)に尋ねると、開口一番、「元々はめっちゃ粉もんです」ときっぱり。作り方が多様になってたまごで包んで焼く店が増え、粉もんのイメージが薄くなったらしい。
実は、「発祥」とされる店がお初天神通り(大阪市北区)にあるという。「本とん平」を訪ねた。トライアングル型の変形カウンターの中に立ち、店主の山本寿恵(ひさえ)さん(66)がコテを握る。
熱々の鉄板にひくのは小麦粉の…