三菱UFJ銀行は、今春闘で1%の「ベースアップ(ベア)」を労働組合側に回答した。労組が要求した0・5%の倍だ。
回答は25日。同行は国内店舗の統廃合や人員の抑制といった構造改革に取り組んでいる。デジタル技術を使った省力化を進めているが、人が減っている分をまだ補い切れず、労働負担は増えている。異業種が相次ぎ金融業に参入する中、人材確保も課題だ。このため、従業員の働く意欲を高めようと要求以上の引き上げに踏み切った。賞与については、労組の要求通り前年比1%増とした。
同行が、従業員の賃金体系を底上げするベアを実施するのは4年ぶりで、3メガバンクでは唯一。三井住友銀行とみずほフィナンシャルグループ(FG)の労組は、今春のベア要求を見送っている。(柴田秀並)