(2日、選抜高校野球準決勝 習志野6―4明豊)
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明豊にとっては、最高の立ち上がりだった。
一回、先頭の打席に立ったのは主将の表悠斗(3年)。「準々決勝まで1打席目はヒットを打てていなかったので、絶対に打ってやろうと狙っていた」。3球目。内角の直球を強振した。打球はきれいな放物線を描き、左翼席に飛び込む先制弾に。この回一挙3点を奪い、試合を優位に進めるきっかけとなった。
だが、三回に失策もあって2点を失うと、「焦りが出てきた」。リードしているにもかかわらず、盗塁や犠打を積極的に絡める相手の攻撃に押し込まれているような感覚に襲われた。二塁手の位置から「まだ勝っているんだから大丈夫」と何度も味方を鼓舞したが、内野の守備の乱れは中盤にも続き、流れは習志野ペースに。七、八回に得点を重ねられ、逆転を許した。「捕球だけでなく、正確に送球するまでが守備。慌てずにアウトを一つずつ取る。そんな当たり前のことができなかった」と唇をかんだ。
ただ、今大会は初戦で強豪横浜、2回戦で明治神宮大会王者の札幌大谷、準々決勝で伝統校の龍谷大平安に勝って4強に進んだ。「課題よりも収穫が多い大会だった」と表は振り返る。「しっかり戦いきる体力と、粘り強さを身につけて、夏、リベンジします」。力強く言い切った。