(5日、高校野球 星稜9―4藤蔭) 甲子園の全試合をライブ中継 バーチャル高校野球 夏の甲子園、歴代最高の試合は? 投票ベストゲーム 星稜(石川)との開幕試合で先発した藤蔭の吉村紘輝(こうき)君(3年)は、大分大会でベンチ入りしていなかった。この夏、公式戦での初めての登板が甲子園に。4失点を喫したが、45球を力いっぱい投げ抜いた。 マウンドに立った瞬間、それまでの緊張感は消えていた。ただ、制球が定まらなかった。得意の変化球が打ち返され、連続四球後の併殺の間に先制点を奪われた。三回にも連打を浴びて追加点を許し、降板した。 昨夏、体格や球速を見込んだ原秀登監督(45)から背番号1を与えられた。靱帯(じんたい)のけがで約4カ月投げられず、復帰後も痛みが気になり、すぐに「交代させてほしい」と求めた。後ろ向きな姿勢が目立つようになり、原監督は大分大会のベンチには入れなかった。 甲子園でのベンチ入りも諦めていた吉村君は、4、5日にある志望大学の野球部のセレクション(選考会)を受けることにしていた。 大分大会の決勝翌日。「甲子園ではあいつの球威が必要になるかもしれない」と考えた原監督は吉村君を寮監室に呼んだ。「投げられるか」。吉村君は「はい」と即答した。原監督は言った。「おまえのセレクションは甲子園だ」 そして4日の練習中。監督から「先発を任せるぞ」と告げられた。「あいつなら大舞台で何かやってくれるんじゃないか」。原監督の期待の表れだった。 予想もしなかった言葉に、ただ驚いた。「仲間や監督に恩返ししたい」。そんな気持ちも芽生えた。 状態は万全とはいえなかった。「50球以上は投げさせない」と原監督は決めて、マウンドに送り出した。 28年前に甲子園に初出場したときの主将で、選手宣誓を務めた原監督。開幕試合で勝って監督と一緒に校歌を歌いたいと思っていた吉村君は「監督から任せてもらったのに、試合をつくれなかった」とうなだれた。 それでも、この日は自分から交代を申し出ることはなかった。原監督は「最後まで食らいついていこうという姿勢を見せてくれた」とたたえ、「これからにつなげていってもらいたい」とエールをおくった。(小林圭) |
ベンチ外からまさかの開幕投手に 監督へ恩返しの力投
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