「下関北九州道路(下北道路)は、その必要性、緊急性を多くの方々に理解して頂いているので、忖度などあるはずがない」
福岡知事選に立候補している現職の小川洋氏(69)は5日、こうしたコメントを出し、道路の事業化調査での手続きに問題はなかったとの考えを示した。辞任に追い込まれた塚田一郎国土交通副大臣が知事選で応援した自民推薦の新顔、武内和久氏(47)と戦う立場だが、公約に「下関北九州道路の早期事業化」を盛り込む推進派で、発言への厳しい批判は避けた。
先月19日、石井啓一国交相から、下北道路について国直轄で調査をする方針を伝えられたのは、小川氏本人らだった。2日後の知事選告示日には、北九州市での出陣式で「石井大臣にお願いに上がったところ、国が調査をやると、踏み込んだ発言を頂いた。早期実現に向け大きな前進がはかられた」と訴えた。その後の街頭でも、折に触れて同じ言いぶりをした。
麻生太郎副総理ら武内氏の陣営から「実績がない」との攻撃を受けていた小川氏にとって、下北道路の調査を国が担うことになったのは、アピールできる大きな「実績」だった。
逆にいえば、武内氏の陣営にと…