7日に投開票された名古屋市議選に、車いす利用者の女性が挑んだ。当選はならなかったが、「若い人や障害のある人、高齢者に温かい声をかけていただいた。これからも地域の中で、生きにくさを抱える人たちの声に応えたい」と話した。
緑区選挙区(定数7)から立候補した小野沢美希さん(28)は長野県出身。3歳の時に国指定難病のシャルコー・マリー・トゥース病を発症した。手足の筋肉が萎縮し、感覚が鈍くなる進行性の病だ。
「一人暮らしは無理」という医師の言葉を振り切り、名古屋市内の大学に進学して一人暮らしを始めた。通学路の坂道や教室間の移動に難があったが、同級生や大学側の協力を自ら取り付け、それらを乗り越えた。
卒業後、障害者の自立を支援する社会福祉法人「AJU自立の家」(名古屋市)で働いていた小野沢さんに、立憲民主党県連代表の近藤昭一衆院議員らが白羽の矢を立てた。
「市政について知識がない」と固辞する小野沢さんを、のちに選対本部長を務めたNPO法人「わっぱの会」(名古屋市)の斎藤縣三理事長が「ふるさとを離れて車いすで一人暮らしをして、あたりまえに暮らす人の意見が大事なんだ」と何度も説得した。
立候補を決意した背景には、市…