全国に33校しかない公立の夜間中学を新たに設置する動きが広がり始めている。四国で設置が決まり、北海道でも検討が始まった。ただ、東北や東海、九州はいまのところゼロのままだ。夜間中学の生徒に占める来日間もない外国人の割合は、10年間で3割から7割に増えた。不登校経験の生徒のほか、母国で義務教育を終えられなかった外国人の若者らが進学や就職の足がかりとして設置を求めている。
海外出身の若者、日本の高齢者も「同級生」
「日本語が分からないときに先生がいつもサポートしてくれる。学校の授業は難しいけど楽しい」
フィリピン出身のテオドロ・ダニカ・タンさん(18)は川崎市立西中原中学校の夜間中学に3月まで通った。
2017年1月に母と来日した。母国で中学を卒業していないため、日本では「義務教育未修了」とみなされ、すぐには高校に進学できなかった。「将来は医者になりたいけど、まずは高校」と勉強に励んだ。英検1級の資格も持ち、この春、神奈川県内で有数の定時制高校に進学した。
全校生徒約1400人の西中原中学の夜間中学には、20人余りが在籍する。ネパールやフィリピン、中国などの10~20代のほか、日本の80代のお年寄り、20代の不登校経験者も学ぶ。
安部賢一校長は「夜間中学はた…