腕時計、ボールペン、サングラス……。身の回りにある小物を装った超小型カメラを使った盗撮事件が後を絶たない。「スパイカメラ」と呼ばれ、ネットで簡単に手に入る。本来の用途は防犯だが、悪用を止めるのは難しいのが実情だ。
福岡市西区にあるコンビニのトイレで昨年10月、掃除中の店員が不審物に気づいた。荷物を入れるカゴの下から、黒っぽいひものようなものが伸びている。カゴをどけると、コードでつながった平べったい四角形のバッテリーがあった。
ひも状の部分は長さ約20センチ。先端には直径8ミリ程度のカメラレンズが付いたスパイカメラだった。福岡県警は県迷惑行為防止条例違反の疑いで20代の会社員の男を逮捕。男は「ネットで買った」と供述し、盗撮を認めているという。
カメラの専門家によると、10年ほど前から東京・秋葉原で店頭に並ぶようになり、売り手や客の間で「スパイカメラ」と呼ばれるようになったという。5~6年前からネット通販でも出回るようになった。
「絶対バレない」「持ち運びに…