来年の東京パラリンピックへの市民の関心を盛り上げようと、東京都が29日、有識者らによる懇談会を設置し、名誉顧問に自民党の谷垣禎一・前総裁(74)が就任した。
谷垣氏は2016年に自転車事故で大けがし、17年に政界を引退。車いすでリハビリしており、小池百合子知事が「経験をいかしてほしい」と就任を要請した。都は、障害を持つアスリートや外部の有識者らに懇談会メンバーになってもらい、大会のPRやバリアフリー施策に関する意見を集めて、今後に生かしていく予定だ。
この日、都庁で開かれた委嘱式で小池氏は「障害をお持ちになり、目線もそれまでと違ってくると思う。そういった意味で、ご助言をお願いしたい」と語った。谷垣氏は「まだ万全な体調ではないですが、できるかぎり頑張ります」と応えた。「公共空間を、障害を持った人間とどう分け合って付き合うかという感覚が皆にあると、うまくいくと思う」との考えも示した。(丸山ひかり)