空港での手荷物の預け入れや搭乗が「顔パス」に――。成田空港は2020年春から、国際線と国内線の搭乗手続きにNECの顔認証システムを導入する。事前に登録した顔写真で本人確認をするため、搭乗までに何度もパスポートを提示する必要がなくなる。訪日客の増加が見込まれる東京五輪・パラリンピックを前に、空港の混雑緩和をねらう。
成田国際空港会社とNECが31日発表した。顔認証は国内の主要空港の出入国審査で導入されているが、他の搭乗手続きで利用するのは国内初という。
自動チェックイン機でパスポートや搭乗券を登録する際に顔写真を撮影し、手荷物の預け入れや保安検査場の入り口、搭乗ゲートに設置したカメラで捉えた顔と顔写真を照合して本人確認する。パスポートや搭乗券の提示がいらず、搭乗ゲートなどでは立ち止まらずに通過できるようになる。顔写真を登録するかどうかは利用者が選択でき、まずは全日空と日本航空の搭乗客が対象になる。
NECの石黒憲彦副社長は「顔認証を街中に広げ、ホテルのチェックインやコンビニの決済にも広げたい」と意気込む。ただ、顔写真の利用拡大には、情報管理やプライバシー保護などの課題もある。(高橋諒子)