食事に制限がある人でも、一目で食べられる料理がわかる「フードピクト」の利用が広がっている。豚や酒など宗教上禁じられている食材や、卵や小麦などアレルギーを起こす可能性がある食材を絵にし、どれを使っているかをメニューに載せておくもの。28、29日に大阪市で開かれる主要20カ国・地域(G20)首脳会議でも、会場内のレストランで使われるという。
様々な物や行動を分かりやすいデザインで示す「ピクトグラム」の一種で、計14種類がある。神戸市のベンチャー企業「フードピクト」の菊池信孝社長(33)が2009年につくり、普及活動を続けている。1店舗または包装1種類あたり、年1万2千円(税別)の利用料が同社の主な収入だ。
当初は訪日客が多い関西空港やホテルなどで利用が進み、今月からは羽田空港の飲食店で採用された。オタフクソース(広島市)の新商品「有機お好みソース」にも採用されるなど、加工食品での利用も増加。現在は約100社の約1500店舗で使われているという。
G20では、メイン会場となるインテックス大阪のビュッフェレストランで使われる予定。菊池さんは「多数の国が参加するイベントなので、人々の交流のきっかけにもなれば」と話す。(生田大介)