デザイン業界が注目する、知る人ぞ知る法改正が、今国会で実現した。「改正意匠法」。同法はデザインで模倣品を防ぐことなどが規定されているが、改正の肝は「デザインの競争力強化」。企業の商品全体を貫くデザイン全体に価値を見いだし、ひいてはブランド力の強化につなげる狙いがある。特許庁が着目したのは、大胆なデザインが話題の自動車メーカー・マツダの取り組みだった。
法改正の狙いは
「意匠」とは車の外観など工業デザインのこと。法に基づく意匠制度で保護され、他社が似たような商品を販売できないようにしている。
改正意匠法では、これまで対象外だった、建物の内装や一貫したコンセプトで開発されたデザインも保護されるようになる。模倣対策も合わせて強化される。5月に成立し、1年以内に施行される。
同法を所管する特許庁によると、日本企業は製品の品質の高さを強みとする一方、デザインが有力な商品力になるとの認識が十分でなく、世界との競争で弱みになっていたという。
そこで同庁が注目したのがマツ…