一つのプレーや一つの言葉でチームを変えられる存在が「エース」なら、今、サッカー日本女子代表(なでしこジャパン)にエースはいない。でも、エースになりうる存在はいる。FW岩渕真奈(神戸)だ。ワールドカップ(W杯)フランス大会でW杯3大会連続出場の26歳は「とにかくゴールを取りたい。貪欲(どんよく)な気持ちは誰にも負けない」という。1次リーグ突破のために勝利が求められる14日(日本時間午後10時開始)のスコットランド戦もその思いで挑む。
「情けない」
0―0の引き分けに終わった1次リーグ初戦のアルゼンチン戦の直後、岩渕はそう振り返った。日本は消極的なプレーでゴールを脅かせず、ピッチには単調な流れを言動で変えられる選手もいなかった。岩渕は「自分たちがもっと自信をもってボールを動かさないといけない」。自らにも、チームにも厳しい言葉を投げかけた。
輝かしい経歴、でも
「マナドーナ」。世界的名選手、マラドーナになぞられ、そう評されることもある。技術の高いドリブル突破は、幼少期から注目を浴びた。18歳で初出場した11年W杯ドイツ大会でいきなり優勝を経験。15年W杯カナダ大会では準優勝。経歴は輝かしい。
でも、本人の思いは違う。「ぱ…