地中海を渡る難民・移民を救助した支援船のドイツ人船長が6月29日、イタリア当局に拘束された。同国では許可なく移民を救助した船の領海進入を禁ずる法令が同月に施行されたばかり。救助する側を「違法な人身売買業者」とみなすイタリアの姿勢に、各国から批判の声が上がっている。
ANSA通信などによると、ドイツに本部があるNGO「シー・ウォッチ」の支援船が6月中旬、リビアをボートで出発した53人を海上で救助。伊当局は、このうち11人については病気や妊娠を理由に受け入れた。だが支援船の領海への進入は認めず、同船は海上で約2週間待機させられた。船長の女性が「自殺者が出かねない切迫した状況だ」として、26日に領海内への進入を強行。入港の際に当局の船を妨害したなどとして、身柄を拘束された。船長は最高22年の罪に問われるほか、法令違反で最大5万ユーロ(約610万円)の罰金が科せられる可能性がある。
イタリアでは、昨年成立した連…