欧州連合(EU)の28加盟国による臨時首脳会議は2日、欧州委員会など主要4機関のトップ候補を選んだ。うち2人は女性で清新さを打ち出したが、合意までには曲折もあり、統合の進め方で加盟国間に溝があるなか、EUとしての意思決定の難しさも示した。
行政トップの欧州委員長に指名されたのはドイツのウルズラ・フォンデアライエン国防相(60)。欧州中央銀行(ECB)総裁にはフランス人のクリスティーヌ・ラガルド国際通貨基金(IMF)専務理事(63)で、いずれも秋に正式に就任すれば、女性が就くのは初めて。欧州委員長候補は、欧州議会が16日に投票で承認するか決める。
「完璧な男女バランスで、とてもうれしい」。EU首脳会議のトゥスク常任議長(大統領に相当)は2日夜の記者会見でこう述べた。トゥスク氏はかねて、首脳会議常任議長、外交安全保障上級代表(外相に相当)を含めた4ポストの半分を女性にしたいと主張。加盟国の首脳は、その前提で人選を議論していた。
フォンデアライエン氏は200…