象印マホービンが1日発表した2019年5月中間決算は、売上高が前年比7・7%減の441億円、純利益が22・0%減の29億円だった。中国の景気減速の影響で、これまで好調だった中国国内でのギフト需要が急減。19年11月期の業績予想も下方修正した。
象印ブランドは中国では人気の「高級品」。数年前までは訪日観光客が「爆買い」して土産にする、象徴的な存在だった。その後、中国での販売が伸びた。
中国では、炊飯器やステンレスボトルなどを「粗品」として顧客に配ったり、ボーナスに付け加えて従業員に渡したりする企業もあったという。「この数が半端ではなく、ずっと(売り上げを)引っ張っていた」(市川典男社長)が、中国企業の業績が悪化。ギフトとしての売れ行きが鈍った。売上高の落ち込みの約半分は中国でのものだ。
中国市場が引き続き厳しいとみて、同社は売上高を4月時点の855億円から800億円に、純利益を44億円から38億円にそれぞれ予想を引き下げた。(中島嘉克)