愛知県長久手市の養豚農場と、関連する同県瀬戸市の養豚農場で8日、家畜伝染病「豚コレラ」の感染が確認された。県内の飼育施設での感染確認は13例目。2農場の豚約800頭の殺処分を8日夜から始める。県内では2月から豚コレラの感染が相次ぐが、長久手市での感染は初めて。
県によると、7日に長久手市の養豚農場から、「飼育する豚が複数頭死亡している」との報告があったほか、この農場と経営者が同じで、北東に1・8キロ離れた瀬戸市の農場からも同様の報告があった。検査の結果、2農場の22頭のうち、8日に21頭の感染を確認した。
今回の2農場は、感染の恐れがある地域の豚を早期に出荷し、豚舎を空にして衛生管理を徹底する「早期出荷」の対象だった。緊急対策会議で大村秀章知事は「段取りを進めていた矢先に感染が確認されて残念」と話した。
豚コレラは豚とイノシシが感染し、発熱や食欲不振、うずくまりなどの症状がみられる。致死率は高いが、人はかからず、感染した豚などの肉を食べても人体に影響はないとされる。