(9日、高校野球新潟大会 柏崎8-0長岡高専)
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「コールドにはさせない」。七回表、6点を先行された長岡高専の投手、阪田竜士(3年)は打者をじっと見据えた。打席には柏崎の藤沢侑輝(3年)。中学時代、同じチームで内野を守った親友だった。
六回までの対戦で、得点につながる安打と送りバントを許した。この日、4回目。全力で投げた初球はバットの芯ではじき返され、右越え二塁打。走者2人が生還した。試合後、「球速は落ちていなかった。コースが球1個分、甘かった」と目に涙をためた。
長岡高専は5年制で専門性の高い授業が多い。阪田と同じく電子制御工学科で学ぶ主将、陽田樹(3年)は「リポートや実験に追われながらも、短時間で密度の高い練習を続けてきた」という。
集中力がついたのは「スマイル作戦」のおかげ。内山隆平監督が「笑顔を意識すれば、常に前向きに試合を進められる」と指導し、選手たちがその教えを守ってきた。この試合でも笑顔と声かけを忘れなかった。
3年生の野球人生はまだ続く。高専同士の野球大会があり、長岡高専は全国3位の実績もある。阪田、陽田は「来夏は、また白球を追っていると思います」と口をそろえた。(渥美好司)