リーグ創設10年目を迎えた女子プロ野球は今年、オールスターゲーム(7月15日午後7時試合開始)を初めて神宮球場で開催する。チームを率いる監督は「千葉の防波堤」の異名でロッテの抑えを務めた小林雅英さん(45)と、西武、巨人で巧みなバットコントロールを見せた石井義人さん(40)。京都、愛知、埼玉の全3チームから両監督がドラフトで指名した各チーム17人が熱戦を繰り広げる。
9日、石井監督はドラフトで指名した埼玉の古谷恵菜投手(23)、泉由希菜捕手(22)とともに朝日新聞東京本社を訪問。石井監督は「男子に負けない守備力やミート力を持つ選手がいる。ひたむきさも見てほしい」と女子プロ野球の魅力を語った。
身長177センチから最速123キロを投げる古谷は福知山成美(京都)で、長打力が魅力の泉は蒲田女子(東京)で、それぞれ高校時代に全国制覇を経験し、リーグを背負うプレーヤーだ。古谷が「ファンと交流を深めるイベントがたくさんあります。選手と近い距離で試合を楽しんで欲しい」と言えば、泉は「見に来ていただければ『女子でもこれだけできるんだ』ときっと思ってもらえる」と意気込みを口にした。
女子プロ野球のオールスターゲームは、過去には年齢別や出身地別で対決するなど工夫を凝らしてきた。男子のプロ野球と違って、同じチームの選手同士が真剣勝負で対戦するのも魅力の一つで、女子プロ野球機構の片岡裕貴さんは「認知度を高めるためにはどうしたらいいか。お客さんに楽しんでもらうことを一番に考えている」と話す。
今回のオールスターは、女子高校野球漫画「花鈴のマウンド」にちなんで、登場する主人公・桐谷花鈴が通う「星桜高校」とライバル柊木美玲が通う「京都雅高校」に分かれて対戦する。(坂名信行、山口裕起)