(15日、高校野球新潟大会 東京学館新潟4―0新井)
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新井の右打ちの9番打者、柳沢広大(3年)はグリップを握る際、右手の下にあるはずの左手を、右手の上におく。他の打者とは異なる「逆手打ち」と呼ばれる打撃方法だ。
取り入れたのは、今大会が始まる約3週間前。小学4年生から野球を続けてきた柳沢にとっても、初めての打ち方だったという。
今年の春から「全然打てなくなった」ことがきっかけだった。5~7番だったという打順は、春以降9番に。グリップを持つ手の間隔を広げたり、フォームを変えたり。試行錯誤の末、逆手打ちの方が、これまでよりも腰の回転を使った力のある打撃ができることに気づいた。そのまま逆手打ちで試合に出ることを勧めた佐伯泰寛監督は、「断るかと思ったけど、『結果が出るならなんでもやります』と受け入れた。驚きました」と振り返る。
4点を追いかける八回表、この日2打席凡退の柳沢が先頭打者として打席に立った。「1、2番につなぐ気持ちで振った」というバットは変化球を捉え、打球は右前に。今大会の自身初安打だった。最後の夏を終え、「これまでやってきたことに悔いはありません」。(谷瞳兒)