第101回全国高校野球選手権長野大会は10日、4球場で2回戦12試合があった。前日の雨で中止(ノーゲームを含む)となった2試合も行われ、岡谷南が松本第一に1―0でサヨナラ勝ちした。11日は2回戦9試合を予定。日程変更に伴う今後の詳しい試合予定は県高野連のホームページ(
http://www.nagano-hbf.jp/index.htm
)で確認できる。
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先投 逃さず振り抜いた 岡谷南・五味音央選手
「長打ではなく、次につなぐ打球だ」
九回裏、2死一塁で打席に立った岡谷南の4番・五味音央(ねお)(3年)は自分にそう言い聞かせた。
ツーボールからの3球目。バットを思い切り振り抜いた打球は、中堅手の頭を越えた。懸命に二塁まで走ると、一塁走者・小池龍(3年)がホームイン。歓喜する仲間が見え、拳を空に突き上げた。
試合は9日にもあったが、雷雨で、ノーゲーム。岡谷南は昨夏4強、松本第一は昨夏8強の好カードだ。迎えたこの日は、両チームともに何度も好機を作りながら、無得点で九回へ。それだけに緊張の打席となったが、集中力で一打をものにした。
「あそこで打たれなければ」。松本第一のエース・平谷光盛(3年)は試合後、悔しさをにじませた。
春に練習試合で岡谷南と対戦した際は、五味を無安打に抑えたという。それだけに、打たれない自信はあった。だが、球数が100球を超え、「スライダーが甘く入った。疲れが出てしまった」と振り返った。
ただ、そんな相手エースを、岡谷南の倉坪知之監督はたたえた。「1球1球を丁寧に投げられ、九回までもつれこんだ。最後の最後で失投をとらえた五味も、よくやったと思う」
「人生初のサヨナラ適時打」と話す五味。「僅差(きんさ)の試合をものにできたのは、気持ちいい。この勢いで3回戦も勝ちに行きたい」(里見稔)