(11日、高校野球長野大会 上田10-4明科)
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明科の野球部員は全部で12人。1年が5人、2年は4人。3年生は3人だけだ。「人数は少ないけれど、頑張ろう」。1年のときからそうやって、3人で励まし合ってきた。
「夏1勝」をめざして臨んだ上田戦。主将でエースの望月至は左上手から直球とカーブを投げ分け、二回まで立ち上がりは上々だった。関島資浩監督は「練習試合を含めていままでで一番よかった。ピークをここに持ってきた」。
望月が投球に専念するために、ゲームキャプテンを務めるのは遊撃手の宮沢翼。後輩たちへの声かけで守備陣をもり立てる。「上下関係なく指摘し合い、いいプレーをしたらほめる」(望月)のがチームの特徴だ。
そんな明科が先手を取った。二回裏、1死から安打と四死球で満塁。もう一人の3年生、郷津(ごうつ)颯人が打席に立った。外角の直球を振り抜くと「センターフライと思った」打球は伸び、3点二塁打になった。
三回表に5点を奪われ、逆転されても、その裏には先頭の望月が、すかさず三塁打で反撃。宮沢の内野ゴロで4点目のホームを踏んだ。
結果は敗戦だったが、関島監督は開口一番、「上出来です。投球に加え、いい投手相手に自分たちのバッティングができた」。3人の3年生には「よく我慢してここまでやってきたなと言いたい」。
「何でも話し合える仲間」という3人。夏の1勝を後輩たちに託し、その表情は晴れやかだった。(羽場正浩)