ビジネスの重心は今や若い世代へ移りつつある。2018年、中国の人口増加は歴史的な転換点を迎え、人口マイナス増加時代への流れが加速した。国家統計局がまとめたデータによると、16年は25-34歳の消費中心層が総人口に占める割合は32.1%だった。00後(2000年代生まれ)が示す特徴はそれより前の数世代の人々と大きく異なり、ブランドの従来の手法はこれから有効でなくなる可能性がある。インターネット時代に生を受け、サービス経済の中で成長した00後は、伝統的な事物への理解が刷新されている。00後にとって、サイフは20世紀のレガシー、スターは「自分が養成できるもの」で、ブランドは(あこがれるものではなく)仲のよい友だちになれるものだ。大手機関が00後の定義を様々に試みており、彼らに商業的価値があることは言うまでもない。18歳前後の汎00後に的を絞り、体系的な研究と掘り下げた洞察を行った結果、汎00後の人となりをひもといて5つの特徴を浮かび上がらせることができた。
汎00後には、冷徹な目、軽重の感覚、大胆さ、身なりに構う、がつがつ学ぶ、という5つのはっきりした特徴がみてとれる。そしてこの5つは最終的に「利口」という1点に集約される。
冷徹な目
ネット環境が深く浸透する中、汎00後は他世代をしのぐ「ネットに敏感な体質」を備える。広告とわからないソフト広告やプロダクトプレイスメント、イベントマーケティングといったブランドの手法に対しても、キャラクター設定、データ取引といったビジネスの操作についても、汎00後は鋭敏に感じ取ることができる。
スターの追っかけという文化を例に挙げると、これまで人々が追いかけていたのはスターだったが、汎00後が追いかけるのはキャラクターだ。昔と違い、今のスターは商業モデルの産物という側面が強い。キャラを設定し、パッケージングとインキュベートを行い、デビューしてファンを獲得し、みんなで育て上げ、アクセス数が利益に変わる。裏と表があると人は反感を抱くものだが、汎00後は構わず喜んでスターの二面性を受け入れる。
汎00後にとって、重要なのは人ではなく、キャラを育てることの達成感だ。心の中の夢や憧れをスターに投影し、キャラ育成に情熱を注ぐ。本当かウソかはどうでもよく、自分がほしいと思う価値を得られればそれで十分だ。
汎00後から立ち上るのはその年齢にふさわしくない透徹のオーラだ。彼らはブランドへの許容度が非常に高い背後にはブランドから必要なものを得ていることと双方向の信頼感がある。ブランドのターゲットを囲い込むようなアクセス収益化の手法も、派手にぶち上げる大量の広告も、汎00後はどちらも否定しない。ブランドの戦略の背後にあるロジックをよく理解しており、「誰だってお金を稼ぐ必要がある。それは決して悪いことではない。私からお金を稼ぎたいというあなたの意思には私は完全に賛同する。ただし私のことを馬鹿者扱いしないことが前提だ」という。
軽重の感覚
汎00後は現実的な軽重の感覚が非常に優れ、自分の心の天秤の使い方をよく知っており、複雑な物事をしっかりと秤にのせて考える。理性と感性を天秤にかける時は、往々にして最も心が動かされたものではなく、最も合理的なものを選ぶ。