税関総署が7日に発表したデータによると、今年1-5月には、中国の物品貿易輸出入額が11兆5400億元(1元は約15.5円)となり、前年同期比4.9%減少し、減少幅は1-4月と変わらなかった。このうち5月、中国の対外貿易輸出入額は2兆4700億元で同4.9%減少した。うち、輸出は1兆4600億元で同1.4%増加、輸入は1兆100億元で同12.7%減少した。輸出から輸入を差し引いた貿易収支は4427億5千万元の黒字で、黒字額は同60.6%増加した。分析によると、中国内外で積極的な要素が積み上がりつつあり、今後の輸出入はますます回復が見込まれるという。中国新聞網が伝えた。
1-5月の中国対外貿易の動きについて、税関総署によると、貿易形態からみると、一般貿易の輸出入の割合が小幅に上昇し、総額6兆9100億元となり、同4.7%減少して、中国の対外貿易に占める割合は同0.1ポイントと小幅に上昇して59.9%になった。同時期における加工貿易の輸出入は2兆7700億元となり、同8.1%減少した。また保税物流方式での輸出入は1兆3900億元で、同0.1%減少した。
主要市場をみると、中国とASEANとの輸出入は増加し、欧州連合(EU)、米国、日本との輸出入は減少した。データでは、1-5月には、ASEANが中国にとって1番目の貿易パートナーとなり、貿易額は1兆7千億元に上り、同4.2%増加し、中国対外貿易の14.7%を占めた。EUが2番目の貿易パートナーで、貿易額は1兆6100億元で同4.4%減少し、中国対外貿易の13.9%を占めた。米国は3番目の貿易パートナーで、中米の貿易総額は1兆2900億元で同9.8%減少し、対外貿易の11.1%を占めた。日本は4番目の貿易パートナーで、中日の貿易総額は8463億6千万元で同0.3%減少し、中国対外貿易の7.3%を占めた。
貿易主体をみると、民間企業の輸出入が増加し、割合も上昇した。1-5月には、民間企業の輸出入額が5兆1100億元に上り、同1.8%増加し、中国対外貿易に占める割合は44.3%となり、同2.9ポイント上昇した。このうち輸出は3兆2700億元で同0.1%減少し、対外貿易輸出の52.7%を占めた。輸入は1兆8400億元で同5.4%増加し、対外貿易輸入総額の34.5%を占めた。同期の外資系企業の輸出入額は4兆5400億元で同7.3%減少し、中国対外貿易の39.4%を占めた。国有企業の輸出入額は1兆8500億元で同14.1%減少し、中国対外貿易の16%を占めた。
具体的な製品をみると、輸出では繊維製品の増加が目立ち、1-5月にはマスクを含む繊維製品の輸出額が4066億6千万元に達して、同25.5%増加した。輸入では鉄鉱石、原油、天然ガス、大豆などの輸入量が増加し、コモディティ輸入平均価格が低下したものが中心だった。
アナリストは、「防疫物資の輸出が大幅に増加し、中国全体の輸出を支えた」との見方を示した。商務部国際貿易経済協力研究院の厖超然副研究員は取材に答える中で、「5月には、マスクなどの繊維製品の輸出が同月の輸出総額の27.9%を占め、輸出を好転させた」と述べた。
また厖氏は、「中国の輸出入がこれから回復するという期待が徐々に明らかになってきた。輸出では、最近はバルチック海運指数(BDI)が上昇し、5月は購買担当者指数(PMI)が前月比やや上昇し、各国政府は封鎖解除政策を相次いで打ち出し、先進国の経済が徐々に回復してこれまで抑制されていたニーズが徐々に開放されるといった要因の影響を受けて、輸出回復への期待がますます明らかになった。輸入では、OPECプラスが原油の減産合意に達し、これから原油価格は下落が止まって反転上昇するとみられ、価格の回復上昇がコモディティ輸入価格の上昇をもたらし、さらには中国の輸入増加をもたらすとみられる。同時に、中米の『第1段階の貿易合意』を引き続き履行する、中国国内の消費が徐々に回復するといった要因も輸入増加につながるだろう」と述べた。(編集KS)
「人民網日本語版」2020年6月8日