(1)すべての感染者と濃厚接触者の情報をもれなく収集し、ヒトからヒトへの接触があったかどうか、感染経路、感染のネットワークを構築するのが、感染症学の調査のやり方だ。
(2)ビッグデータ技術を活用して、すべての感染者の行動歴を整理すると、たとえば感染者が共通して暴露する場所があったかどうかなどを調べると、いろいろなヒントが得られる。感染者数人が過去数日間に新発地市場の近くのある場所にいたかどうかなどを調べる。
(3)実験室のバイオテクノロジーを活用したウイルスの遺伝子配列の研究は、ウイルスがどこから来た可能性があるかを判断する上で役に立つ。サンプルを採取したウイルスの遺伝子を研究し、北京で2ヶ月前に発生した新型コロナウイルスと同じなのか、中国東北地域の哈爾浜(ハルビン)や舒蘭で発生したウイルスにより似ているか、または米国や欧州などで流行したウイルス株により近いのかを分析する。
こうした分析によってさらに多くの情報が得られる。全体として言えるのは、この3つの面のデータを総合的に運用すれば、北京でこのたび発生した感染症をよりはっきり認識することができる。今は情報を収集している段階で、確実な結論はまだ下せない。
呉氏は発生源について、「今はまだ卸売市場でのウイルスの発生源が一体何なのかを断定することは難しい。さまざまなルートでサンプルを採取して検証し、一番可能性が高いのはどれか評価を行わなければならない。新発地卸売市場は人の流れが多く、取り扱われる商品の種類も非常に多くて複雑で、短期間で状況をはっきりさせることはできない。全ての人の流れと物品をしっかり調べなければ、感染の全貌を明らかにすることはできない」と述べた。(編集KS)
「人民網日本語版」2020年6月15日