三大主要穀物が基本的に自給できるとすれば、中国の「世界一の穀物輸入国」という呼び名はどこから来ているのか?実は、米や小麦よりも中国が本当に大量に輸入しているのは大豆と蔗糖だ。
中国人の大豆に対する需要は、実のところ主に肉や卵、牛乳に対する需要から来ている。中国は世界最大の大豆消費国であり、2020年の中国の大豆消費量は1億400万トンに達し、世界の消費需要の30%を占めるとみられる。2019年、中国では大豆輸入が国内総消費量の約84.86%を占めた。
砂糖の世界生産量トップ5を占める国・地域はインド、ブラジル、EU、タイ、中国で、その合計生産量は世界の60%を占める。データによると、2019年に中国が輸入した砂糖は国内の砂糖総消費量の25.95%を占めた。
中国社会科学院農村発展研究所研究員の李国祥氏は、「現在、新型コロナウイルス感染症が世界で蔓延し、中国の農産物主要輸入国のうち一部の国では感染状況が比較的深刻で、中国の輸入に影響があることは間違いないだろう」との見方を示している。
夏季収穫穀物は豊作
「中国人の食卓」をしっかり下支え
今年に入って以来、中国の食料安全保障問題もいくつかの試練を経験した。感染症の影響がある中で、洪水と干ばつにも見舞われたことは、中国の穀物生産にどのような影響をもたらすのだろうか?
江西省彭沢県の太泊湖農業総合開発区では、災害の損失を最低限に抑えるため、江西省農業庁が毎日コンバイン7万9000台を投入して早稲を刈り取り、省全体で1254ヶ所のもみ乾燥センターの情報を公表して、近場のセンターでもみの乾燥を行うよう指導。また、6つの作業グループを被災が深刻な地区に派遣し、早稲の収穫ともみの乾燥を指導した。
南方地域の水害がまだ収まっていないうちに、北方地域では干ばつの被害が出始めている。7月以来、遼寧省全体の平均降水量は18.7ミリメートルで、昨年同期より62.6%少なく、中には雨が一滴も降っていない地域すらある。
干ばつが農業生産に対する影響を減らすため、遼寧省水害・干ばつ防止指揮部は干ばつ対策物資を緊急調達し、相前後して3回にわたり省全体のダムに遠隔で送水し、十分な給水を保障した。現在、遼寧省中部の盤錦や営口の水田に累計3億立方メートルの水を灌漑し、効果的に干ばつ状況を緩和している。
「先に新型コロナウイルス感染症、その後は水害と干ばつ」という状況にありながら、今年も中国の夏季収穫穀物は豊作となった。農業農村部が先ごろ発表したデータによると、今年の夏季収穫穀物生産量は1428億キログラムに上り、12億1000万キログラムの増産となり、昨年同期比で0.9%増え、史上最高を記録した。感染症の影響が続く中、夏季収穫穀物が豊作となったことで、「中国人の食卓」を支える自信と余裕が増強された。(編集AK)
「人民網日本語版」2020年8月5日