温氏は、「中国は感染症の予防・抑制で目に見える成果を上げ、中国経済も持続的に回復・改善し、主要経済指標は徐々に好転し、第2四半期(4-6月)の中国はプラス成長を実現した唯一の主要エコノミーになった。このことは人民元にとって力強い支えになる」と述べた。
国家統計局のデータでは、7月の中国経済は引き続き安定に向かい、回復を続け、中でも同月の商品小売売上高増加率は今年初めてマイナスからプラスに転じ、輸出増加率は2けたに達した。
このほど発表された8月の製造業購買担当者景気指数(PMI)、非製造業ビジネス活動指数、製造業と非製造業を合わせた総合PMIの3大指標をみると、いずれも景気・不景気のボーダーラインとなる50%を6ヶ月連続で上回った。
明氏も、「人民元レートの上昇は中国経済の基本面に対する見方の反映でもある。製造業PMIの動きをみると、2月に一気に急低下した後、中国経済の景気レベルは回復を続け、世界銀行と国際通貨基金(IMF)も、中国は今年経済のプラス成長を達成できる数少ない国の1つになるとの予測を示した。そのため感染症後の中国国内の基本面の状況は人民元レートにとって重要な支えとなっている」との見方を示した。
3つ目は人民元建て資産の人気だ。
温氏は、「中国は今、金融市場の開放を持続的に推し進めているところで、世界の投資家は中国経済の見通しと人民元建て資産を高く評価しており、海外の資本は中国資本市場に流入し続け、こうしたことが人民元の値上がりにプラスに働いた」と述べた。
国家外貨管理局がこのほど発表したデータでは、今年7月には、外資による中国国内の上場株と債権の買い増しの規模は前年同期の2.4倍になり、外貨準備高は4ヶ月連続で増加を達成した。
明氏は、「世界の中央銀行が緩和政策を維持する中で、中国の中央銀行は感染症の流行中に金融政策の慎重さを保ち、定力を維持し、中米の金利差が大きい状態が続き、人民元建て資産の魅力が目に見えて高まった。こうしたことも人民元レートの上昇を後押しした」と述べた。
8月28日時点で、中米の代表的な10年物国債の利回りの差は230bpを超えており、金利差が拡大した。人民元建て資産の収益率が高いことから外資が絶えず中国に流入し、人民元レートの上昇を促進する役割を果たした。(編集KS)
「人民網日本語版」2020年9月3日