人民元の偽札偽造が後を絶たない中国で、偽札対策を施した新しい人民元が発行され、流通し始めました。
中国人民銀行が6年ぶりにリニューアルしたのが、100元札など5種類の紙幣です。デザインは変わりませんが、透かしを増やしたり、磁気テープを織り込んだり、偽造対策を強化しました。
「これで多分、偽札はなくなるでしょう」(上海市民の男性)
「きっとまた偽札を使う人は出てくるでしょう。悪いグループがいるのです」(上海市民の女性)
中国では人民元の偽造が後を絶たず、去年は11億6000万元の偽造が摘発されました。このため中国の人たちは、偽札に敏感で、店で100元札を使うと、客の目の前で必ず本物かどうかを確かめます。携帯用の紫外線ライトなど、偽札をつかまされないための自衛策も消費者の間で広がっています。
古くなったお札も流通しているため、たとえ本物でも、このように縮んでしまったものもあります。効果的な見分け方をいえば、白い紙をこすりつけると、インクが写ってしまうものが本物だということです。
今や世界が注目する通貨、人民元。新しいお札にはローマ字の表記も追加しました。偽造を減らして国際的な通貨としての信用を高めたいというのが中国政府の本音です。