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プロ野球:反発の声噴出も、結論出せず オーナー会議

作者:未知  来源:每日新闻   更新:2005-11-5 5:39:00  点击:  切换到繁體中文

 

結局、決まったのは、野球協約の見直しだけだった。4日、開かれたプロ野球のオーナー会議。横浜球団の親会社TBSの株式を取得した楽天の行為が、野球協約に抵触するかどうかの結論は、議長裁定で先送りされた。球団の株式上場問題も、上場の規制までは踏み込まなかった。楽天や村上ファンドに対し、厳しい反発の声が噴出しながらも、グレーゾーンを残した会議の結論。仲間内意識で、規定や適用にあいまいな部分を残してきた「球界の憲法」の不備が、今後は正面から問われることになる。

 ◇楽天包囲網、宮内氏が救う

 札幌市内のホテルで約4時間に及んだオーナー会議。終了後、楽天の三木谷浩史オーナーは、興奮冷めやらぬ顔で報道陣の前に立った。楽天のTBS株取得問題について、「この問題だけピックアップするのはいかがかと思う。野球を人質に取られるのはどうかと思う」と、珍しく興奮気味に一気に訴えた。継続審議扱いに持ち込んだとはいえ、球界の風当たりの強さを肌で感じた様子だ。

 楽天のTBS株取得をめぐる野球協約183条の解釈は真っ二つに割れた。三木谷オーナーに対する「違反コール」は、パ・リーグのある球団出席者によると、「10対2」という大合唱だった。「協約違反は明確。直ちに186条(コミッショナーの制裁規定)をやるべきだ」(巨人・滝鼻卓雄オーナー)などの強硬論も続出し、協議は難航した。

 三木谷オーナーの主張は、二つに絞られる。まずは183条の目的が、八百長などの不公正な試合の防止を目的としている点だ。「一番重要なのは変な試合、変なトレードをしないこと。八百長をしない誓約書を出す案まで言った」と述べ、TBSに影響力を行使しておらず、違反行為は起こり得ないと強調した。

 もう一点は、183条の弾力的運用の実例の指摘だ。楽天のケースでも例外規定を適用するように説いた。出席者の話によると、三木谷オーナーは、フジテレビグループが横浜、ヤクルトの球団株を二重保有している資料などを持ち出し、各オーナーに示したという。「楽天は協約違反」との主張を最後まで曲げなかった横浜・若林貴世志オーナーは「何が書かれていたかは言えないが、書類は(フジ以外に)他の球団の話にも触れていた」と語る。

 「包囲網」の突破には、オーナー会議議長のオリックス・宮内義彦オーナーの存在が欠かせなかった。「宮内さんがバックアップしておったね」と、ロッテ・瀬戸山隆三球団代表は明かす。宮内氏に対しても、村上ファンドに球団の親会社のオリックスが出資していることに、球界内から疑問の声が出されていた。球団だけでなく親会社の経営者という立場も併せ持つ宮内オーナーの「親会社の資本戦略まで制約されたらかなわない」という思惑が、三木谷オーナーに猶予期間を与えることにつながった。【徳丸威一郎】

 ◇三木谷オーナー、一貫して強気の発言

 オーナー会議で「当面は楽天とTBSの統合交渉の進展を見守る」として結論が先送りされたことで、野球協約183条の問題が統合交渉の妨げになることは事実上なくなった。協約違反と決議されれば、楽天球団かTBS株のいずれかを手放すという二者択一を迫られる可能性もあっただけに、楽天にとっては一息ついた格好となった。

 会議後の会見で、楽天の三木谷浩史オーナーは「(オーナー会議の結果が)統合交渉に影響することは基本的にない」と言い切った。会議では楽天のTBS株取得を「協約違反だ」とする指摘が相次ぎ、議長の宮内義彦・オリックス球団オーナーの裁定で救われた形だが、会見では「形勢がどうだとかいう問題ではない」と、一貫して強気の発言を繰り返した。

 強気の裏側には、統合交渉が成功した場合に横浜ベイスターズを売却する算段を既につけていることがあるとみられる。宮内議長も「しっかり交渉がまとまれば、この処分をきっちりやって頂けると期待している」と話しており、交渉後にこの問題が再び議論されても、その時点で売却先が確保されていれば不問とされる公算が大きい。

 ただ現段階で、統合問題自体は、TBSが受け入れる可能性は極めて少ないとみられている。楽天は今回のオーナー会議でひと山越したとはいえ、さらに高いハードルが残っている。【上田宏明】

 ◇阪神球団株の上場 「賛成」はゼロ

 村上世彰氏の率いる投資ファンドが、阪神球団株の上場を要求している問題を受け、オーナー会議で球団株上場について「賛成」の立場を明確にした球団はなく、パ・リーグの少数のオーナーが「可能性を検討すべきだ」などと述べるにとどまった。阪神は球界から取り付けた「支持」を背景に、改めて上場拒否の姿勢を村上氏側に示す。

 電鉄本社主導で上場問題に対応している阪神は、就任から日が浅い手塚昌利オーナーだけでなく、オーナー代行の肩書を持つ西川恭爾・阪神電鉄社長も出席した。会議後、手塚オーナーは「村上ファンド側に説明し、了承をもらうことになる」と話しただけ。「球団経営は安定したものではない。上場して配当が必要になった場合、果たしてどうか」などと反対の理由を具体的に説明したのは、西川社長だった。

 また、西川社長は村上氏が求めている球団株上場の是非を問うファン投票について、「球団サイトの掲示板で意見を聞いているし、マスコミのアンケート結果なども見た。ファンの声は聞いた、という認識はある」と語り、実施しない方針を示唆した。球団株の上場では譲歩の用意をせずに、村上氏と交渉に入る公算が大きい。【栗林創造】

 <野球協約第183条(他球団の株式所有)>

 球団、オーナー、球団の株式の過半数を有する株主、または過半数に達していなくても、事実上支配権を有するとみなされる株主(中略)は直接間接を問わず他の球団の株式、または他の球団の支配権を有するとみなされる会社の株式を所有することはできない。

 ただし、オーナー、球団の株式の過半数を有する株主、または過半数に達していなくても、事実上支配権を有するとみなされる株主による他の球団の間接所有については、他の球団との利害関係が客観的に認められないと実行委員会およびオーナー会議が判断した場合は、この限りではない。(以下略)


 

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