【ワシントン笠原敏彦】ブッシュ米大統領は14日、国連安保理で停戦決議が採択されたレバノン情勢について、「自由とテロの広範な闘いの一部」だと指摘し、対テロ戦争の前線に明確に位置づけた。
国務省での安全保障問題の協議後に会見した。ブッシュ大統領はこの中で「対テロ戦争の三つの前線の現状を論議した」と説明し、レバノン情勢をイラク、アフガニスタンと同列に並べた。その上で「レバノンでの紛争は中東地域で起きている自由とテロの広範な闘いの一部だ」と述べた。
大統領は改めてヒズボラを支援するイランとシリアを批判し、特にイランに対し「(レバノンとイラクの)両国で武装グループを支援し民主主義を阻止しようとしている」と追及。「もしイランが核兵器を保有していれば、レバノン紛争がさらにどれだけ危険であったかは想像が可能だ」と語り、イランの核保有阻止の必要性も強調した。
また、ヒズボラ指導者のナスララ師が「戦略的、歴史的な勝利」と宣言したことについて、「レバノン軍と国際部隊が(ヒズボラ本拠地の)レバノン南部に入るのになぜ勝利を主張することができるのか」と反論した。
毎日新聞 2006年8月15日