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【ニューヨーク坂東賢治、エルサレム樋口直樹】国連のアナン事務総長は12日、イスラエル軍とレバノンのイスラム教シーア派民兵組織ヒズボラの戦闘停止をグリニッジ標準時14日午前5時(日本時間同日午後2時)に発効させることでイスラエルのオルメルト、レバノンのシニオラ両首相と合意したとの声明を発表した。両当事国が戦闘停止に正式合意したことで、先月12日に始まったレバノン紛争は終息に向け大きく動き出した。しかし、12~13日にかけて停戦発効間際の双方の「駆け込み攻撃」で多数の死傷者が出るなど、事態の早期沈静化にはなお曲折も予想される。 「完全な戦闘停止」を求めた11日の国連安保理決議について、レバノン政府は12日夜の閣議で、またイスラエル政府も13日昼の閣議で、それぞれ受諾を承認した。アナン氏はこれらの閣議承認を前に両首相と電話で協議し、戦闘停止の発効時間について話し合った。 国連安保理決議は国連レバノン暫定軍(UNIFIL)とレバノン政府軍がレバノン南部に展開すると同時に、同地へ侵攻したイスラエル軍部隊が段階的に撤退するよう求めている。UNIFILは現状で2000人規模だが、決議に基づき最大で1万5000人規模に増強され、同じく1万5000人規模のレバノン軍とともに停戦監視の任務に就く。 これについてイスラエルのリブニ外相は13日、停戦発効後もUNIFILとレバノン軍が現地展開を始めるまで、イスラエル軍はレバノン南部から撤退しない方針を改めて確認した。同地のイスラエル軍部隊は3万人規模とみられ、AP通信によると一部は既に国境から北へ約20キロ離れたリタニ川に到着した。 UNIFILの増強と展開には「7~10日必要」(デソト国連中東和平特使)とみられており、イスラエル軍の撤退はこの後になる見通しだ。 南部で激戦 ロイター通信によるとイスラエル軍は12日、多数のヘリコプターなどを動員してリタニ川を目指し、ヒズボラと激戦。1日当たり最多の兵士19人を失った。ヒズボラ側にも40人以上の死者が出た模様。13日も同軍がレバノン南部を中心に50以上の町や村を空爆し、子供を含む17人が死亡した。一方、ヒズボラは1日当たり最多のロケット弾250発以上をイスラエル北部に撃ち込んだ。 先月12日の戦闘開始以来、レバノン側では少なくとも1076人が死亡。イスラエル側の死者も144人に上っている。 毎日新聞 2006年8月14日 |
レバノン情勢:戦闘停止合意 事態の早期沈静化なお曲折も
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