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レバノン:10日中の決議案決着に向け協議 常任理事国

【ニューヨーク坂東賢治】イスラエル軍とレバノンのイスラム教シーア派民兵組織ヒズボラの停戦実現を目指した国連安保理決議案を巡り、国連安保理常任理事国5カ国(米英仏中露)の国連大使は9日夕(日本時間10日朝)、イスラエル軍即時撤退の明記などレバノンやアラブ連盟の修正要求について協議した。合意には至らなかったが、仏などが妥協案を示した模様で、ボルトン米国連大使は本国の指示を受けた上で10日朝に協議を再開すると明らかにした。

 米国は強力な国際部隊を展開させることが軍撤退の前提とのイスラエルの主張を擁護し、即時撤退の明記には反対している。しかし、決議採択が遅れれば、イスラエル軍が作戦を拡大して「戦闘停止」のタイミングを失いかねない状況だ。ロシアのチュルキン大使は協議後、「今後数時間での合意を望んでいる」と述べ、10日朝の協議での合意達成に強い期待を示した。

 また、ボルトン大使と仏のドラサブリエール国連大使は9日、アラブ連盟の特使として国連に派遣されたカタールのハマド外相とも会談しており、最終的なイスラエル軍撤退の保証などレバノンの主張を一部取り入れることで妥協を目指しているとみられる。

 仏はレバノンが1万5000人の国軍を南部のイスラエル国境に展開する方針を決めたことを評価し、レバノンの要求支持の姿勢を明確にした。米やイスラエルも国軍派遣に一定の評価をしているが、レバノン政府などが当面の支援役と期待する国連レバノン暫定軍(UNIFIL)の能力に懐疑的で、即時撤退すれば、力の空白が生まれ、ヒズボラの勢力復活につながりかねないと懸念している。

毎日新聞 2006年8月10日

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