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【ニューヨーク坂東賢治】国連安保理は8日、レバノン情勢を巡る公開協議を開いた。アラブ連盟(本部カイロ)の特使として派遣されたカタールのハマド外相は演説で「レバノンの現実を考慮しない決議案を採択すれば、我々は内戦に直面するだろう」と述べ、イスラエルとイスラム教シーア派民兵組織ヒズボラの停戦に向けた安保理決議案に、イスラエル軍撤退などを盛り込むように修正を求めた。 ハマド外相らはこの後、安保理常任理事国(米英仏中露)の国連大使らと決議案を巡って協議した。レバノン政府が同国南部への1万5000人の国軍派遣を決めたことを受け、イスラエル軍撤退の明記など、レバノンの要求を決議案にどう反映させるかが焦点だ。ハマド外相らは9日も米仏などと協議を継続する予定で、国連外交筋は「決議案の採択は早くても11日以降になる」と語った。 ハマド外相は公開協議の演説で「安保理が傍観し、流血の惨事を止められないのは悲しむべきことだ」と指摘し、レバノンのシニオラ首相が打ち出しているイスラエル軍の国境以南への撤退など、7項目の要求を安保理決議案に反映させるように求めた。さらにイスラエルが武力で安全を確保しようとしていることを、「憎悪と過激主義の種をまいている」と批判した。 レバノンのミトリ外相代理も演説し、現在の決議案がイスラエルに「攻撃的な軍事行動」だけの停止を求めていることが、「イスラエルの気まぐれでレバノンが攻撃を受ける状況を放置することになる」と指摘。レバノン南部に駐留する国連レバノン暫定軍(UNIFIL)を強化し、レバノン国軍を支援するよう要請した。 これに対して、イスラエルのギラーマン大使は「安保理が直面している問題は決議案を採択できるかどうかではなく、ヒズボラとその支援者がイスラエルとレバノン住民に与えている脅威を取り除くことだ」と述べ、実効性のある決議案の採択を求めた。 毎日新聞 2006年8月9日 |
レバノン情勢:アラブ側、決議案でイスラエル撤退明記要求
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