三井住友フィナンシャルグループ(FG)は、系列の三井住友カード、オーエムシー(OMC)カード、セントラルファイナンスなどカード5社について、事務部門の集約化やシステムの共同利用などの提携を進める方針を明らかにした。08年2月末までに基本戦略を策定し、08年度以降段階的に実施する。
積極的なM&A(企業の合併・買収)戦略の結果、系列カード会社の総会員数が約4000万人と業界最大規模に膨らんだため、規模のメリットを生かしてコスト削減を進め、競争力強化を図る。
三井住友FGは07年、中部地方を基盤とする三菱UFJFG系列のセントラルファイナンス、ダイエー系列で主婦層に強いOMCを相次いで傘下に収めた。この2社と既存のグループ会社である三井住友カード、さくらカード、クオークの間で、数年かけて段階的にシステムを共通化するほか、コールセンターや明細書発行など事務部門の統合を進める。
三井住友カードが持つ携帯電話を使った決済システムを他のグループ会社に移転したり、顧客や加盟店情報を集約して新たな商品・サービスの開発に生かすなど、営業力強化にもつなげる。新たな貸金業法の施行で2010年から上限金利が引き下げられ、顧客1人あたりの貸出総量も規制されることをにらみ、顧客の囲い込みと経営効率強化を急ぐ考えだ。【坂井隆之】