ワクチンの生産が急ピッチで進むアメリカでは、臨床試験での安全性などのチェックが最終段階を迎えています。
メリーランド州にある大学病院です。こちらでは、新型インフルエンザのワクチンの2度目の臨床試験が行われています。
この日使われたのは、フランスのメーカーがアメリカ国内の工場で生産中しているワクチンです。1人2回の接種が必要で、この日は3週間前に1回目の接種を済ませた人が対象となりました。
臨床試験の協力者は全員がボランティア。新しいワクチンに対するリスクは承知の上ですが、参加の理由は様々です。
「私はワクチンを優先的に受けられる対象にならないと思いますので」「孫がいるので、その子が接種しても安全かどうか確かめたいと思ったんです」(臨床試験の協力者)
病院側は、接種の8日後と21日後に血液や腫れ具合などを調べ、さらに7か月先まで体調をチェックするなど、健康管理にも細心の注意を払っています。
「接種を受けた健康な方からは、想定外の副作用は何も起きていません」(臨床試験を行うカレン・コトロフ教授)
安全性が確認されれば、アメリカでは来月中旬にも一般への接種が始まりますが、初期段階のワクチン不足は避けられない見通しで、まずは当面の予防対策が流行を抑えるカギになりそうです。(03日11:39)