イランのアハマディネジャド大統領が2日、より高い濃度のウラン濃縮を行うことを明言しました。
アハマディネジャド大統領は2日、中部イスファハンで行った演説で、「イランの核に関する全ての問題は解決した」とした上で、「今後、濃度20%の高濃縮ウラン燃料を製造する」と述べました。
イランは医療用としていますが、20%以上の高濃縮ウランは核兵器への転用も可能とされていて、今後、さらに核開発を進める可能性もあります。
「少数のうわべだけの強国の圧力のもとで、IAEAがイランに対して違法で不正な決議を採択したが、イランはそんな強国も、その同盟国も全く気にしない」(アハマディネジャド大統領)
イランの核問題をめぐっては、IAEA=国際原子力機関がウラン濃縮施設の建設中止などを求める決議を採択したことにイラン政府が強く反発し、先月29日には、新たに10か所で濃縮施設を建設する方針を示しました。これを受け、アメリカは、イランに対する制裁を強化するとしています。
今回のアハマディネジャド大統領の演説は、イランの欧米諸国への対抗姿勢を改めて示したもので、今後、両者の対立がさらに深まるのは必至です。(03日04:07)