【北京=大越匡洋】中国税関総署が8日発表した1月の貿易統計によると、米ドルベースの輸出額は前年同月比3.3%減、輸入額は同19.9%減となった。輸出入ともに前年の水準を下回るのは昨年3月以来だ。景気の減速や春節(旧正月)を控えた生産活動の鈍化に加え、価格の下落を機に進めていた原油などの買いだめが一服し、輸入が大幅に落ち込んだ。
1月の輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は600億ドル(約7兆1千億円)の黒字だった。中国の1月の原油の輸入額は前年同月に比べ4割も減った。14年は原油価格の下落を背景に買いだめを進めてきたが、勢いが一服した。内需の鈍さを受け、鉄鉱石や石炭などの輸入も落ち込んだ。
輸出は鋼材の増加傾向は続いているものの、全体としては低調だ。主要な地域別では米国向けが4.8%増、東南アジア諸国連合(ASEAN)向けは15.5%増と堅調だったが、欧州連合(EU)向けは4.6%減、日本向けは20.5%減となった。この結果、輸出全体では10カ月ぶりに前年の水準を割り込んだ。