全国の高速道路の上に架かる跨道橋(こどうきょう)5798本のうち、6.6%に当たる383本で老朽化の点検が全く行われていないことが10日、国土交通省の1月1日時点の調査で分かった。多くは点検義務のない小規模な橋で、管理する自治体などが予算や人員の制約から後回しにしているとみられる。放置すればコンクリ片落下による事故の危険もあり、国交省は早期点検を呼び掛けている。
県道や市道などが通る跨道橋は昨年7月、政府のインフラ老朽化対策の一環で5年ごとの点検が義務付けられた。調査では4518本のうち22本が未点検だったが、3月末までに作業を終える見通し。
一方、点検義務のない小規模な農道や林道、水路が通る橋は、1280本のうち361本が建設後、一度も点検されていなかった。
都道府県別で未点検が多かったのは、大分39本(県全体の36.1%)、広島37本(16.0%)、福島30本(15.5%)など。山形や石川など9都県は点検を終えた。
跨道橋は通例、高速道路会社が整備し、地元自治体などが管理している。実際の点検や補修は、高速道路会社が管理者から委託を受けて実施しているケースが多い。
会計検査院が2013年10月、全国の跨道橋635本が未点検で、548本の点検状況が不明と指摘。国交省が実態調査を進めていた。〔共同〕